インドネシアの約90%以上の人が信仰しているのがイスラム教です。信仰心は個人の意識の高さによりますが、コーランの教えに則り、その教えを守り、アルコールや豚肉を食べない生活を送っています。
日本の宗教との違いはありますが、インドネシア人はフレンドリーで親しみやすいので、そんなに違いを意識する必要はありませんが、イスラム教徒の宗教上の義務の行為としての礼拝、断食、メッカ巡礼、喜捨などの中から、研修生らが日々行う礼拝、1年に一度の断食についてと、女性のスカーフ(ヒジャーブ)の着用について、ご説明いたします。
①礼拝について
1日に5回行います。
時間は、日の出前、昼12時頃、午後3時頃、日の入り、夜7時頃に行います。
出来るだけ時間通りに行うことが良いとされているのですが、仕事などで出来ない場合は時間をずらして行うことが可能です。仕事を勝手に一時中断して礼拝することは、業務に大変支障をきたしますので、しないようにします。勤務時間中は、休憩時間を利用して行います。
②断食について
1)断食の目的
自制心、空腹な人(貧しい人)への思いやり、神への意識を養うことを目指しており、その目的は苦行ではありません。
2)断食の期間について
イスラム暦(陰暦)の1か月間(29日間ないし30日間)に行います。正確な日取りは、宗教省がラマダン月直前に月の動きを観測し、日取りを決定します。太陽暦と比較してズレがあり、毎年 約11日早まっていきます。2017年は5/27頃から、2018年は5/16頃からの予定です。
3)断食の方法について
日の出の約1時間前までに食事を済ませます。
日の出から日没まで、健康な者は、飲食や喫煙などを断つことが求められています。
断食は、イスラム教徒にとって自分の意志で行う義務であることから、本来であれば、断食を行っている者に対して特段神経を使うことは不要です。しかし、日本の気候に慣れない中での断食は、体調を崩す者もあるため、業務に支障をきたす場合は個人で判断し、断食は休日のみ行う、他の日にかえるなど、の対応が可能です。
③女性のスカーフ(ヒジャーブ)の着用について
イスラム教徒の女性は、スカーフ(ヒジャーブ)の着用が義務とされていますが、強制ではありません。慎み深い服装で、女性の美しさを目立たせないようにするため、公の場や親族の男性以外の男性たちの前ではスカーフ(ヒジャーブ)を着けることを命じていますが、現在はスカーフ(ヒジャーブ)を着用するかしないかは、個人の自由選択となっています。
しかし、研修生の職種によっては、スカーフ(ヒジャーブ)が作業の邪魔になる、安全を損なう危険性があるなどの場合があります。その場合、仕事中はスカーフ(ヒジャーブ)の着用禁止、ということを研修希望者に事前に告知し、それを了承できる人だけを集めるようにしています。
④毎日の食事について
イスラム教徒はコーランの教えに則り、その教えを守り、アルコールや豚肉を食べない生活を送っています。